高まる中高年の転職者とその需要

■中高年退職者の海外就職需要の高まり
昨今、50歳代〜60歳代の早期退職者や定年退職者による海外就職需要が高まりを見せています。そには日本の高い技術力や経営管理能力を求められ、日本において海外就職・海外キャリアアップセミナーを開く企業が増えています。求められる国は、少し前まで中国や台湾、シンガポールでしたが、今は東南アジア地域(ベトナム・カンボジア・タイ・マレーシア・インドネシア)が中心となっています。
また東南アジア地域は日本と比べて一年中温暖な気候で過ごしやすいというのも魅力の一つ。就職やキャリアアップだけでなく、老後の余生も考えて東南アジアで働きたいと考える人が多く、相乗効果によって年々需要と供給ともに増加中。
そこに拍車をかけるように現地の日系人材紹介会社・人材紹介エージェントが日本在住の中高年に対して紹介業務を推進しています。しかし広く知られているわけではないため、こういった情報を入手するには結局現地の人材紹介会社のホームページを見るしかないのが現状。

■中高年のための海外就職の探し方
セミナー情報などはインターネット等で調べないといけません。しかし、身近な方法を利用しても海外就職を見つけることが出来ます。それはハローワーク。ハローワークには地域に密着した仕事だけでなく、海外での駐在を目的とした海外求人も多く存在します。
基本的にハローワークだと自ら求人を探さないといけず、条件面などを見るのも疲れるかと思います。そういった煩わしいことを引き受けてくれるのが人材紹介会社です。人材紹介会社に登録すると、必要事項や希望要項を伝え、履歴書を送るだけで後は寝て待つのみ。給料面や待遇面を釣り上げなければ早ければ2,3日で仕事が見つかるでしょう。

■どれくらい給料がもらえるのか?
飲食関係だと日本と同じか安いくらいの給料しかありません。しかし、管理能力の問われる管理者や今まで培ってきた技術・能力が問われる技術者になると日本と同じかそれよりも高い給料を得ることも出来ます。例えば生産工場での工場長は月給2000ドル〜5000ドル、建築関係技術者月給5000ドル〜9000ドルといったように日本の給料よりも得られる場合があります。
アメリカやヨーロッパ、シンガポールを除けば、基本的に生活費は日本よりも安いことが多く、日本と同水準の給料を得られれば日本よりも貯金が出来ることでしょう。

ある友人(と、いっても大先輩ですが)の話です。現在、彼はベトナムのビンズン省(ホーチミンの隣町)というところでで工場長として勤務しています。年齢は58歳で独身(バツイチ)、3年前に早期退職をした後、人材紹介会社に登録してから直ぐにベトナムへ渡ってきた一人。1ヶ月の給料は日本で働いていたよりも約10万円下がったそうですが月給は3500ドル(支給時の為替レートに合わせてドンで支給)、生活費は1000ドル前後に納まるそうです(ただベトナムへ来た初めの3ヶ月は毎日のようにキャバクラへ通っていたせいで3500ドルではギリギリだったそうですが)。毎月の残額は2500ドル前後に及び定期預金(金利約8%)をしているようで、「日本よりも貯まるし、ベトナムへ来て良かった。」と口癖のように聞かされています。